ガラスの心に気づいたなら 〜 1
パートが始まるまで少し時間がある。

わたしはその時間の間、県の高校へ行き、運動場を覗くのが毎朝の日課だ。

掛け声に合わせて朝練をしているのはサッカー部。

みんな当たり前のように微笑んで、真剣に部活に取り組んで、生き生きとしている。

青春をしている彼らを見ると悲しくなるが、それ以上に今を忘れられる。

今のわたしが嘘のように思える。

この悲しみは一体なんなのか問いたくなる。
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