ガラスの心に気づいたなら 〜 1
だけど他の人は理解ができないらしい。
イチゴ、というキーワードだけ優也も分かったみたいで、
「俺は大根おろし。」と微笑んだ。
シュールな言葉に思わず笑みをこぼした。
優也は目を見開くと、ちいさく微笑んだ。
二人であーたんの手を握って歩いていると、なんだか夫婦みたいだと思った。
…あーたんには父親がいない。
あーたんはパパを知らずに大人になる。それも全部、わたしのせいだ。
もし、わたしがもっとちゃんとしていれば、あーたんは生まれなかった。
そしてこんな辛い人生を送らなくて済んだんだ…