ガラスの心に気づいたなら 〜 1
「ジャンプ!」あーたんがせがむと、優也が笑ってあーたんを抱き上げて、高い高いをする。

「きゃははは!」
嬉しそうに笑うあーたんを見て、胸が痛んだ。

パパだよって、言ってあげたかった。

こんなわたしだって、本当は幸せな家庭を築きたかった。

大好きな人と結婚して、子供を産んで、おじいちゃんとおばあちゃんになっても愛し合って、孫を可愛がって…

こんな人生を送るつもりじゃなかった。

わたしはどこで道を間違えたのだろう。

それとも、最初からこういう運命だったのだろうか。

神様は残酷だ。
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