ガラスの心に気づいたなら 〜 1

保育園のスモックすら着ていないあーたんを無言で見送った。


荷物、ホテルにまだあるかな…


「月島さん、どうかした?」優也が顔を覗き込んできた。


サラサラの黒い髪が朝日を帯びてキラキラと光っている。

それでも、眼鏡の奥にある瞳は光っていなかった。


わたしは首を振る。


「そっか…。なんか、悲しそうな顔してたから。」
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