信じることはとても愚かで美しい。
マンションを出るとゴミ出しをしている隣の部屋のおばさん会った。
「あら、菜緒ちゃん。おはよう。」
おはようございますっと挨拶を返すと、
「やっぱり、名門校の聖華学院に通っている子は礼儀正しいのねぇ。」
いえいえそんな…と謙遜し、おしゃべりもほどほどにその場を去る。
聖華学院…名の通った金持ちが通う名門校。
偏差値も、私立の割には難関校に劣らないほどの高さだ。
あいつらに…双竜の奴らに捨てられた私は、その勢いで以前から話があった引っ越しを承諾して、隣の町に引っ越した。
一軒家よりマンションのほうが安全だかららしい。
あの事があってから人とかかわるのが嫌いになった私には苦痛でしかないけど。