信じることはとても愚かで美しい。



ガチャっとドアを開ける。


スマホを取り出したカバンを玄関に放り投げて家を出る。


久しぶりにケンカするぞ~!


最近、動いてないから体なまってるかも…。


夜道を歩きながら1人、準備運動する姿は傍からみたらおかしな姿だろう。


繁華街の路地裏を通り、公園に入った。


その途端。


肌で感じた、いつもと違う空気。


何かが来る。


直感でそう感じた。


それをこれから来るだろう敵に悟られないようにさりげなく歩調を緩める。


そして。


ざわっ。


タタタっという足音と共に耳元をかすめる拳。


瞬時に反対に体勢を倒して避ける。


速い…!


凡人のスピードと違う、空を切った拳。




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