信じることはとても愚かで美しい。
そのまま避けた勢いで後ろを振り返る。
そこには…。
黒髪のメガネをかけた長身の男と金髪のピアスをつけた男。
それに、ショートの髪に前髪をポンパドールにしている女がいた。
私が戦ってるのは金髪…!
ビュンッと足が飛んでくる。
気を抜いていたので腕で受け止める。
ヒリヒリと痛む腕を気にする間もなくみぞうちめがけて拳が飛んでくる。
後ろに飛び跳ねて着地した反動で、金髪に蹴りかかる。
腕で受け身を取られた。
「チッ…」
思わず舌打ちが出る。
チラッとほかの奴らのほうを見ると、黒髪の奴は見ているものの女のほうはスマホをいじりだした。
イラッ…
何故か無性にイラッとしたその勢いでちょうど飛んできた腕をガシッと掴む。
「え…?!」
金髪の拍子抜けな声を耳元で聞きながら、体をねじらせて背負い投げで一本。
ダンッという音は、私の勝利を示していた。