信じることはとても愚かで美しい。
「昇…爛…?」
ケンカをしていて何度も耳にした名前。
ということは…暴走族…。
ドクンっと大きくなる心臓を必死に押さえつける。
だけど、その音は大きくなるばかりで。
呼吸も浅く、荒くなっていく。
暴走族と聞いたら、どうしてもあいつらが浮かぶ。
「…っはぁ、はっ…」
ヤバイ、過呼吸になってる。
落ち着こうとしても、体は全然言うことを聞いてくれない。
次第に視界がぼやけてきた。
スローモーションのようにゆっくりと倒れる。
「…おいっ!」
驚いたような声と、温かい体温を感じた直後、私は意識を手放した。