信じることはとても愚かで美しい。
メガネの言葉を若干無視しつつ、身構える。
「お前、過呼吸で倒れたんだよ。…てか、学校大丈夫なのか?」
その言葉でバッとポケットに入れてたスマホで時間を確認する。
やっば…。
9時を示す画面を見て、サァーーっと顔が青くなるのが分かる。
入学からずっと皆勤だったのに…。
チーン…っと数秒空を仰いだ後、開き直ってメガネに問う。
「倒れたの、運んでくれてありがとう。…で、私帰りたいんだけど。」
敵に礼を言うのは癪だけど、一応礼儀だ。
じとっとにらみつつ礼を言うと。
「まあ、そんな敵意むき出しにすんなよ。」
とメガネが苦笑した。
いや、敵を前にして敵意を出さないほうが無理な話だ。
「まあ、ここじゃなんだからついてこい。」
そういうとメガネは部屋から出た。
勝手な奴だな…と思いつつ、敵地で私の選択肢は行くしかないのでしぶしぶついていく。