信じることはとても愚かで美しい。



私は…。


人を信じられない。


信じたくない。


深入りしてあの時みたいに傷つきたくない。


だけど…寄り添う仲間が欲しい。


人を信じたい。


誰かに必要とされたい。


私は…。


「入っても…いいけど…。」


精一杯の強がり。


幼稚だなぁ…。


そう思ってうつむいていた頭を上げると。


みんな、笑っていて。


「決まりだな!俺のことは蓮でいいぜ。」


何故か心が温かくなって。


初めて会った、どんな奴かも知らない族に入るなんておかしいのかも知れない。


だけど…この人たちなら大丈夫って思えた。


「俺は竜で。」


「僕は…氷河…ねむい…。」


いつの間にか、寝ていたはずの氷河たちも来ていた。


私、また人を信じられるかな。


そう思っていた矢先。




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