信じることはとても愚かで美しい。



そう心の中でツッコんだつもりが…。


「お豆腐メンタルじゃねぇよぉ!」


声に出ていたようだ。


もう、泣く寸前だし。


「ちょ、ごめんて。思ってないから!…いや、思ってるけど。」


「最後、ボソッって言ったのばっちり聞こえてるってぇ!」


そう言うと氷河のかぶっている布団にもぐり始めた。


「おい、あんまり竜のこといじめんなよ。」


蓮が苦笑しながら言った。


チッ…ばれてたか。


「だって、面白いんだもん。」


そう言って、竜のほうを見ると氷河にたたき出されていた。


あー…さては氷河は睡眠邪魔したらダメなやつだな…。


なんとなく察したので、これからは気をつけようっと一人、心に呟いた。


「…っていうか、蓮、メガネは?」


ずっと気になってたけど。


「あぁ、ここ。」


そう言って、綺麗な指でトントンっと胸ポケットを軽くつついた。


「ちょっとお借りー!」


そう言いながら蓮の胸ポケットからメガネを取り出そうとすると…。




< 35 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop