信じることはとても愚かで美しい。
蓮がいきなり笑い出した。
「ちょっ、なにがおかしいの!?」
「いや、だって一人で百面相…」
蓮は言葉を震わせながら、そう言う。
「そんなにすぐに殴り掛かるような馬鹿はいねぇよ」
いや、さっきじぶんで言ってたじゃん。
…まさか、仕返しか!
キッとにらむと。
「仕返しだよ、バーカ。」
蓮はべーっと舌を出して言った。
むっかーー!
「嘘つきー!リンゴのくせに!」
「リンゴじゃねぇーー!」
ふはははは…。
引っかかったな…。
「仕返しだよ、バーカ。」
一言一句完璧に返してやったぜ!
どや顔をする。
…って、私は何をしてるんだ。
ちゃんと考えないと。
蓮の言葉は多少オーバーかもしれないけど多分、本当だ。
紹介されたときに双竜の元姫だって知って、全員が快く仲間に入れてくれるはずがない。
「まあ、いつかはケンカ吹っ掛けられるだろうな。」
蓮のまともな言葉にコクリとうなずく。
その人たちに認められない限り。
私がこの人たちの仲間になることはできない。
「ま、頑張るしかないっしょ!」