信じることはとても愚かで美しい。
認められるために
「だから…こいつを仲間に入れることに反対する奴がいるなら、どうぞ殴ってくれ。」
蓮がさも真剣なように言った。
ちょいーー!?
何言ってんの、この人!
「ただ…こいつ、竜を背負い投げするぐらい強いからな。」
その言葉に、ピシッと空気が凍った。
ん?
どうし…
「竜さん背負い投げはやべぇって。」
「双竜の元姫って裏切らないって信じられんのかよ。」
「とりあえず、竜さん倒すのはまじやべぇ…」
「怪物だな。」
怪物だって!?
失礼な!
むかーっとして思わず叫びそうになったけど、グッと抑える。。
ここで失敗しちゃだめだ。
「俺らは、こいつのこと、ほとんど知らねぇけど。こいつの実力は保証するし、こいつが裏切ったりしたときは、俺らのこと軽蔑するなり抜けるなりなんでもしてくれ。」
真剣に話す蓮に騒がしかった倉庫が静まる。
「俺らにはその覚悟があるんだ。」
凛とした目でそう言いきった蓮。
真剣に話す姿が珍しいのか、控えめな話し声が聞こえてきた。
「まぁ、俺らはな…」
「蓮さんがあんなに真剣だし…」
「強いんなら…」
戸惑いながらも、私を受け入れようとしてくれる人はいる。
そう思うと、少し嬉しくなった。