信じることはとても愚かで美しい。



意を決して真ん中まで歩く。


自然とあいた丸い円に立って。


「いいよ。」


そう言うと。


数人、ゆるゆると立ち上がった。


それに続いてどんどん人が来る。


最終的に集まったのは、半数以上。


つまり、私が入るのに反対している人数で。


自然と指が震えた。


分かっていたことでも、これまでとは思わなかった。


だけど、私がしないといけないことは一つ。


ここにいる全員に認めてもらうことだけだ。


軽くその場で飛び跳ねてゆっくり辺りを見渡すと、ゆらりと一番前にいた奴が殴り掛かってきた。


攻撃を避けて、みぞ内を狙う。


そいつが倒れたのを合図に、一斉に殴り掛かってくる。


避けて攻撃して。


そうやって繰り返しているうちに、気づけば残り六人。


目つきで感じる。


こいつら全員、強い…。


殺気だった目でにらんでいる。


本気で私を入れたくない奴ら。


こいつらを倒さない限り、私が認められることはない。




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