信じることはとても愚かで美しい。



六人同時に動き出した。


拳が頬をかすめる。


その手を掴んで背負い投げをする。


その勢いで一回転した後、着地の勢いで二人同時に回し蹴りをする。


その時。


グキッと言う音と共に、右足に鈍い痛みを感じる。


着地に失敗してぐねった…!


こんな時に…!


痛みに堪える間も殴り掛かってくる。


後ろに飛び跳ねて右足を庇いながら攻撃を防ぐ。


…だめだ…攻撃は防げても反撃が出来ない…!


「なぁ、なんかめっちゃ辛そうじゃないか…?」


「一気にペースが落ちてる…」


見ていた奴らにも分かるほどのペースダウン。


このままじゃ…負ける。


冷静になって考える。


右に二人、左に一人。


行けるか…。


不完全なあの技。


失敗したら…私は…。




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