信じることはとても愚かで美しい。
そんなことを考えてる暇なんてない。
一か八かのかけを…。
三人が一斉に間合いを詰めてくる。
まだ…今だ!
体勢を低く取り、左足を軸にして右足で三人の足首を蹴りながら回る。
尋常じゃない痛みに思わず顔をしかめる。
それと同時に、ジャンプで全員の顔に蹴りを入れる。
ダーンっという音と共に倒れる三人。
勝っ…た…。
「「「うおぉぉぉぉぉー!」」」
途端に響く歓声。
思わず、ビクッとする。
「すげぇー!」
「なんだ、今の技!」
「姉貴だ!」
その声を合図に始まる姉貴コール。
これは…認められたと思っていいのか…?
困惑しながら、蓮たちのほうを見ると、満足げにうなずいていて。
あぁ、よかったー…。
ホッとしたのと同時に感じる、ズキズキとする痛み。
思わずしゃがんでしまう。
「大丈夫ですか、姉貴!」
う、うん…
私、姉貴なのか…
複雑な気持ちになりつつ、足の痛みに耐える。