信じることはとても愚かで美しい。



「「「すいませんでした!」」」


同時に頭を下げられた。


え?


突然の出来事に困惑する。


そのとき、一人が話し始めて。


「俺ら、ホントに蓮さんたちに憧れてて。いきなり女なんか連れてくるから、びっくりして。」


「しかも、双竜の元姫だって言うから。…甲鳳に情報流して追い出されたって噂流れてたし。」


「蓮さんたちは信じるって言ってたけど、俺ら、どうしても信じられなくて。」


クッという風に六人同時に目をこする。


シンクロ…。


っというか、やっぱここまであの噂、流れてたんだ…。


「裏切らない覚悟でここにいないんなら、怖気づくだろうと思って。」


「でも俺ら、よく考えたらいくら何でも女一人相手にあんな大人数で殴り掛かるなんて…」


「しかも、ケガまでさせて…」


ホントにすいませんでしたって。


頭下げられてしまった。


えっと…これ、どうしようか。


「えーと…とりあえず頭上げて…?」


そりゃ、流石に一斉に殴り掛かってくるか!?とは思ったけど…。


「私のこと、最終的に認めてくれてるんならいいよ。」


私の思いが伝われば。


それでいい。


そう思っていると…。




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