信じることはとても愚かで美しい。



「立てるっぽいー。」


ゆっくりと立ってみる。


まだ痛みは完全には引いてないけど。


まあ、骨いってなくてよかった。


だけど歩くにはまだ支障があって。


麗に支えてもらってひょこひょこと歩く。


それを見た六人が。


「ひよこだ…」


「ああ…ひよこだな…」


「ひよこ姉貴だ…」


なんて言いだした。


なんだよ、ひよこ姉貴って。


蓮の所へひょこひょこと行ったあと、振り返ると…。


「なんだその子供の成長をほほ笑む親のような顔は。」


声にでてしまった。


「ああ、すいません、ひよこ姉貴。」


「す、すいません、ひよこの姉貴。」


…もう、反論する気も起きない。


あの六人は放っておいて。


「もう一回、大広間に戻るぞ。」


そう言ってしゃがむ蓮。


はて?


どうしたんだ?と思っていると。


「階段、降りれないだろ。」


ああ、おんぶか…。


って!


「重いよ、私!」


「いや、それほどだし。一回おぶったことあるよ。」




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