信じることはとても愚かで美しい。



「てか、暇そうな奴いなくね?」


コーンと小石を蹴飛ばしながら竜が言った。


「ホントに…」


公園に入って何分かは経ってるのに一向に誰も絡んでこない。


「そう言えばお前、足…」


竜が思い出したかのように言った。


「あーうん、案外大丈夫だったみた…」


そこまで言ったとき。


ドンっと肩に強い衝撃がきて、蓮の胸に飛び込んだ。


「ったぁ…ご、ごめん蓮。」


パッと離れて、振り返ると私に当たっただろうぼこぼこの男と殺気だった男がざっと30人。


「小規模暴走族か…?」


という麗のつぶやきを聞きつつ、相手に集中する。


「よう…お相手願おうか。」


先陣を切っていたボス的な奴がそう言うと


「おいおい…10人とはちっせぇなぁ。」


と後ろにいる奴も煽ってくる。


「行くぞ…」


蓮の小さな小さな掛け声に目で返事をする。


先に仕掛けてきた10人に一斉に近づく。




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