信じることはとても愚かで美しい。
「おわっちゃったぁ…。」
私がさも残念そうに言うと。
「お、前…」
リーダー的そいつが掠れた声で言った言葉に私たちは凍った。
「双竜の…元姫だろ…」
ピキッと張り詰める空気。
「な、んでそれを…」
あの紙のことといい、今の言葉といい…。
情報が…流れてる…?
「なぁ、お前…なんでそんなこと知ってんだ…?」
蓮がそいつの胸ぐらを掴みあげながらドスの聞いた声で言った。
「…はっ、言うわけ…」
ビュンッとそいつのあごぎりぎりの位置で止まった拳を見て、そいつは言った。
「わ、分かった。言うからおろしてくれ…。」
蓮はにらみつつもそいつを放した。
と言うか落とした…。
「…一週間前、女が1人、俺らのアジト訪ねてきて…」
そいつの話によると、その謎の女が
『昇爛にいる長い黒髪の女は双竜を裏切った最低元姫。潰してほしい。』
と依頼されたとのこと。