信じることはとても愚かで美しい。
やっぱり女…。
なら、あの紙も同一犯だって考えてもいい。
「ねぇ、その女の特徴は?」
手がかりが少しでもあれば有利だ。
「…あんま覚えてねぇけど、茶色のでけぇグラサンで顔隠すようにマスクしてて…暗くてあんま見えなかったけど髪は巻いてたぜ。」
頭を絞るようにそう言ったそいつにありがとっとお礼を言って。
髪巻いてる子なんてそんなに…。
その時。
パッと頭に浮かんだ人物。
だけど…
「ううん。そんなわけない…」
その考えは頭を振って消す。
そんなことちょっとでも疑うなんて失礼だ。
あんなに優しい人なのに。
小声でぶつぶつ言っていたのが聞こえたのか聞こえなかったのか。
麗が「ん?」という顔をしたが首を横に振って流す。
でも、どうしても消えてくれない疑い。
お願い…。
違うよね…。
接点なんて見つからないよ。
そう思っても、心のもやは消えなかった…。