信じることはとても愚かで美しい。



朝。


うーんっと伸びをしてベッドから出た。


昨日は早く寝たから目覚めもすっきりだ。


いつも通り、ナチュラルメイク&カツラで家を出る。


そして、茉奈たちに挨拶して教室に入った。


までは良かったんだけど。


机の中を探るとカサッという音が。


取り出してまた開く。


[お前の正体はいつか全校生徒が知る。]


はぁ…。


またか…。


赤黒い血のようなもので書かれたもの。


気分が下がる。


ずーんっとしていると、茉奈達に


「どうしたの?」


と心配された。


慌てて紙を膝の上に隠した。


「…てか、聞いてよー!莉乃、今度テレビのカラオケバトル出るんだってー!」


一瞬の沈黙のあと、茉奈がそう言った。


その沈黙を不思議に思いつつ、


「え、そーなの!すごいねぇ!」


と無理やりテンションを上げた。





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