信じることはとても愚かで美しい。



「おい、菜緒。だいじょーぶかー?」


竜に顔の前で手を振られてハッとする。


「ごめん、え、何?」


茉奈のあの会話を聞いてから。


倉庫に来ても気付いたらボーっとしている。


「だから…双竜に新しく姫になったやつ知ってる?って。」


え、そんなの知らない…


姫ってことは陵の彼女=茉奈…か…。


でも革新はないから。


「ごめん、目星はあるんだけど確信してないから言えない…。」


茉奈を敵視するには抵抗があった。


私に笑いかけてくれた人だから。


私に手を伸ばしてくれたから。


…どっかで期待してんのかな?


まな違いだって。


でも、そんな都合のいいこと起きるわけなくて。


…せめてあの手紙だけは…


違っていてほしい___




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