信じることはとても愚かで美しい。
いっそ机に油性ペンで書けばいいのにと思っただろう。
もう慣れたけど。
ふっと息を吐いて、鏡を見る。
茶髪から金髪にグラデーションされたストレートの髪。
かれこれ二年ぐらいお母さんには会っていない気がする。
お母さんは教育に厳しいから、黒髪の中一の時の私がこんな風になったと知れば、発狂するだろうか。
そんなことを考えながら、寝癖の付いた髪にブラシをかける。
ナチュラルメイクをして黒髪のカツラをかぶれば、どう見てもお嬢様の完成だ。
「行くか…。」
制服のスカートをもう一折したいのをぐっと我慢して家を出る。