俺様御曹司とナイショの社内恋愛
いっぽう相手の男、白石諒はといえば、憎たらしいくらい落ち着きはらって、「川本さん、コーヒー飲む? カフェオレのほうがいい」などとのたまうしまつだ。
けっこうです、口の中でつぶやいて、バッグを手にして立ち上がる。
他に忘れ物はないはずだ。たぶん・・・
「・・・お邪魔しました。失礼します」
郁(イク)が玄関へと向かうと、何も言わずに白石諒がついてきた。
玄関にきちんと揃えられた自分のパンプスを履いて、思い切って振り返って彼を見た。
「白石さん、いえ、白石マネージャー」
なにか、と応えるように彼がゆっくり瞳をしばたく。
「忘れてください」
お互いのために。
川本さん、と彼が口を開く。
「忘れませんよ」
「・・・・」
ドアを押し開けて、彼の部屋を飛び出す。さすがに追いかけてはこなかった。
けっこうです、口の中でつぶやいて、バッグを手にして立ち上がる。
他に忘れ物はないはずだ。たぶん・・・
「・・・お邪魔しました。失礼します」
郁(イク)が玄関へと向かうと、何も言わずに白石諒がついてきた。
玄関にきちんと揃えられた自分のパンプスを履いて、思い切って振り返って彼を見た。
「白石さん、いえ、白石マネージャー」
なにか、と応えるように彼がゆっくり瞳をしばたく。
「忘れてください」
お互いのために。
川本さん、と彼が口を開く。
「忘れませんよ」
「・・・・」
ドアを押し開けて、彼の部屋を飛び出す。さすがに追いかけてはこなかった。