俺様御曹司とナイショの社内恋愛
「成功させたいですね、ゲーム」

「させるよ。で、その達成感を二人で分かち合いたいって思う」

郁とて同じ思いだ。彼となら、どこへでもたどり着けそうな気さえする。
そこから広がる景色を、彼と見たい。そこから続く道を、彼と歩いてゆきたい。


「郁に見せたいものとか、あげたいものも、沢山あるけど」

———たとえば、代官山にあるセレクトショップの服

———たとえば、紹介制で一般販売してない特別なフルーツタルト

———たとえば、秋のニューヨーク

白石がつぶやくようにあげてゆく。

「金とコネさえあれば、たいていのものは手に入るけど」

「わたしは欲張りだから、金とコネじゃ手に入らないものが欲しいです」

———それはたとえば、仕掛けている新作ゲームのヒット


だって、一緒に働いているのだから。
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