もし、キミが今ココにいたらまだ私は好きだったのかもしれない
No.6
平凡な日常が過ぎていって

もう夏休みに入った

龍星は小学校生活最後の夏休みなのに

もう髪を染めに美容室に行った

部活には鼻っから行く気がないらしい

そして最近わかったことがある

龍星はそこの美容室のカットモデルということが判明した

龍星の仲良い二従兄のお兄さんが経営してるオシャレな美容室だ

だからミユキは龍星を遊びに誘ったら拒否された

まあ夏休みはまだまだこれからだし!


そして小6、小5だった

ミユキ達の夏休みは連絡先追加して

毎日のように遊んで

部活はサボって

夜は電話してから寝た

通話料金が上がったらお母さんに怒られるから

通話無料のチャットアプリで電話するようにした

海だとか行ってみたいけど

"溺れても助けられねぇから"

とか言って

変わりにプールに行ったりした

溺れて係員さん?に助けられた記憶もある

たまには図書館に勉強しに行ったりもした

でもそれは3日に1回くらいの頻度だった

ホントは毎日会いたいけど

モデルの仕事で忙しいのかな?

暇なときは図書館で勉強するようにした

前から図書館は好きだったけど

龍星も好きだって言ってたから

ミユキは更に好きになった

それからは暇があれば図書館ばっかり

夏休み最後の日には映画を観に行ったりした

宿題ははじめの1、2週間で終わらせた


そこまでこの年の夏休みの記憶は鮮明ではない

…とりあえず、悪くはなかった。


夏休み終わって、

早、2週間経っていた

1日目は龍星の髪色の中途半端さに笑ったね

たぶん髪色慌てて黒に戻したんだと思う

黒の髪に所々ピンクが残っていた



そして、今は総合の時間

授業参観で発表する

"夏休みの思い出"

の作文とその時保護者に見せる絵を書いている

ミユキは女の子と遊んだことにしたけど

先生から

"名前は?"

って聞かれたから慌てて

「花子ちゃんですっ!」

って応えた

如何にも架空の存在って感じの名前だよね

背景に地味~に龍星も描いてるよ

結構黙々と取り組んで

それなりの絵と作文が完成した


いよいよ本番、次がミユキ。

ざっと数えて15人くらいの保護者が来てる

教卓で発表するんだけど

片手に原稿持ってたらダサいから机に置いてきた

…が、ハプニング発生

緊張して暗記したはずの作文が

1言1句忘れてしまって

でも原稿は机。

アドリブで笑いながら発表した

嘘話なのにミユキのクラスに見にきてた保護者達はみんな

「弓削さんが1番表現力があって良かったわ♪」

そりゃそうだろうな!

こっちはアドリブを必死で考えたんだからな!

まあ褒められて悪い気はしなかった


またバスケットボールの試合が近づく

けど龍星はあれ以来

バスケットボールをしなくなったし

部活もサボってばかりになった

いちお、毎朝ミユキはちゃんと毎日朝から

「ねぇ今日は部活来てよね?」

って言うけど龍星は適当に

「んーーーー。」

って応えるだけで部活に来なかった


…試合も来なかった




次のイベントはと言えば

小学校の近くの川まで行って

河川敷で持久走的なことをする

私は短距離よりも長距離の方が得意だから

嫌いではなかったかな

気になる順位は中の上くらいで

まあまあのとこにいたと思ってる

だってよくよく考えてみてよ

小6対小5だったら絶対小6が勝つじゃん

それなのに

ミユキはその小6もちょいちょい抜いて

中の上をおさえたんだし

そもそも男女混合でしてるし

ミユキってやっぱ本気出せば凄いんじゃない?

けど龍星は1つ上っていう

体格差ハンデがあるのかもしれないけど

上位5位くらいにいた

そのまま持久走終了。


持久走は何故か特に何も話さなかったね



そして制服は

いつの間にか夏服から冬服に変わり、

遊ぶ友達も限られて

本当に仲良い人としか遊ばなくなった


同じクラスの相生宇宙くんは

優しくて

異性とかそんなの関係なく

好き

これはもちろんライクの方


基本的に女は裏があるから

あまり関わりたくない


でも同じクラスの牧瀬りこちゃんだけは

裏表なく話しかけてきてくれた

だからりこちゃんも

好き



季節が変わり、真冬になった

けど

そんな雪とか降るような

ロマンチックな街じゃない

真っ黒のダッフルコート姿の龍星

ホントカッコいい!

もうちょっとで終業式

今年の2学期そこまで大したことなかった

まあもう少しで学校は終わっちゃって

冬服バージョンの龍星も

見られなくなっちゃうから

今のうちに堪能しておこう


はいはい!

結局本当に終業式まで平和に無事に終わった


ー冬休みに入った。
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