それはちょっと
「部長がもし異動になったとしても、私はあなたの隣にいたいです。

クリスマスはもちろんのこと、バレンタインデーもホワイトデーもこれから先も一緒に過ごしたいです」

眼鏡越しで見つめているその瞳に、自分の頬が熱を持ち始めていることに気づいた。

部長は何も言わないで、私の顔を見つめている。

何か言ってよ…。

いつもは必ず何かを言うくせに、何でこう言う時になったら何も言わないの?

部長はフッと目を細めて微笑むと、
「――ッ、わっ…!?」

私の躰を引き寄せるようにして抱きしめてきた。

えっ、何これ?

これって、何なの?

と言うか、返事はどうなったんですか?

イエスなのかノーなのか、ただそれを知りたいだけなのに…。
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