君を愛した時間〜残した宝物
私は、心の中で自分に言い聞かせてた…頭の隅には、もしかしたら…って考えている自分が居た。
足取りが重かった…心に逢いたいのに、足が重い…。
「…ここだ…着いちゃったよ…」
私は、心の家の前で足を止めた。


――「腹減ってないか?」
俺は、煙草を吸っている沙羅に聞いた。
「うん、減ったかも!」
ニッコリ笑って沙羅は、答えた。
「んじゃー何か作るか!」
「うん!」
俺は、雑誌を投げ立ち上がり、冷蔵庫を開けた。
「…何もねぇーな」
冷蔵庫の中は、ビールしか入ってなかった。
「何も無いの?…どれ?」
沙羅は、煙草を左手に持ち、冷蔵庫を覗いた。
「本当だ…ビールだけじゃん!…ビール飲んでも、お腹一杯になんないよぉ」
沙羅は、そう言いながらビールを出して飲んだ。
「どうする?何か買って来るか!」
沙羅は、ビールをテーブルに置いて、横目で俺を見た。
「何だよ?」
「そんな事言って、セラって女の所に行くんでしょう!!」
「何言ってんだ!?行かねぇーよ、もう時間も遅いし…」
沙羅に行かないと言ったが、俺は、セラに逢いたかった。
「本当に?…」
沙羅は、下から俺の顔を見ていた。
「あぁ!本当だ」



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