君を愛した時間〜残した宝物
おばちゃんは、すかさず二人組の元へ行った。
「いらっしゃい!中へどうぞ!あぁー、中に入らなくても軽めの食物は売ってますよ」
茶髪の男の人がメニューを探して、おばちゃんに声をかけた。
「飯なにあるの?」
おばちゃんは店の入り口に有るメニューを取って茶髪の男の人に見せた。
「中での食事は家庭的な食物で、テイクアウトならフランクフルトとか焼そばなど有りますが」
茶髪の男の人はメニューを黒髪の男の人に見せた。
「心、どうする?」
黒髪の男の人は、少し怠そうに答えた。
「いいよ、どこでも…」
「んじゃーここにするか」
「あー…」
「中での食事で…?」
おばちゃんは、茶髪の男の人に聞いた。
「うん、中で」
「はい!セラ、お客さんに席を」
おばちゃんは、私に向って、ちょっと可笑しなウインクをした。
「はーい、いらっしゃいませ、こちらにどうぞ」
二人組の男の人達は、席に座るとグッタリとテーブルに顔を付けた。
「お絞りどうぞ」
冷たい、お絞りを私は出した。
男の人達は、二人まったく同じ動きをした。
顔に冷たい、お絞りを被せた。
「あぁー…気持ちいいー」
茶髪の人が顔に、お絞りを被せたまま言った。
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