君を愛した時間〜残した宝物
消せない気持ち
(ガチャッ!)
「おーい、心?居るかぁ?」
「……」
玄関で誠の声が聞こえたが、俺は返事をしないで、ベッドの上で煙草を吸っていた。
「心?…やっぱり居たかぁ!店行ったら仕事しないで帰ったって聞いたからよ!……?」
誠は、袋からビールをテーブルに出した、片手にビールを持ち俺を見た。
「何だよ?なんかあったか?セラと会えたのか?」
「……あぁ」
「あぁって、心何かあったか?」
「……」
「おい?」
俺は、ベッドから下りて座った。
「何があったんだ?」
「…誠の電話を切ってから、セラが来たんだ…」
「えっ!あの日来たのか?ここに!?」
「あぁ…雨の中来て、朝方姿を消した…手紙を置いて」
「手紙!?手紙って…なんて書いてあった?!」
俺は、煙草に火を点けた。
「フゥー、…俺に他に女が居る事知らなかったって…」
「はぁ?他って何だよ?!、…心!お前まさか!?」
「居ねぇーよ!、…沙羅だ…沙羅がセラと会ったらしい」
「沙羅が!いつだよ!?」
「花火の日…沙羅が手首を切った時だ…俺が外に出た後、セラが来たって」
「あの日かぁ…俺がセラに心の家教えなきゃ!…」
「誠のせいじゃない…」
「でも!俺が!」
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