君を愛した時間〜残した宝物
私は、車から下り直君を見送った。
門に手を掛け入ろうとしたが、私は手を放し坂道を下った。
《結婚……、もう迷ったりしちゃいけない!直君を愛していかないと!》
私は左手の指輪を見た。
「幸せに……幸せにならなくっちゃ!」
坂道を下り公園に私は、入った。
「ゴホッ!ゴホッ!…、風邪まだ治って……」
《!!》
「心」
「セラ」
咳き込む声が聞こえ、俺は公園の入り口に目を向けた、そこにはずっと逢いたかったセラが立っていた。
俺はブランコから立ち上がり、セラの元へ向かって一歩一歩、歩いた。
「セラ逢いたかった…」
「心…」
心は、私に向かって歩いてくる。
ずっと逢いたかった、心が………。
《!!》
「来ないで!!…それ以上来ないで……」
セラは、俺に向かって言った、俺は立ち止まった。
《何で……、ずるいよ……心……、こんな所に居るなんて……、やっと決めたのに……》
「セラ…、話を聞いてくれ!!もう、俺の事嫌いかもしれないが、話を聞いてくれ!!頼む!!」
俺は、ゆっくりと歩きだした。
「……聞く事も、話す事も……、もう何もない……、来ないで……、心には彼女が…」
《!!》
心は私を抱きしめた。

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