君を愛した時間〜残した宝物
「S…私の頭文字…、それに心の頭文字…」
「あぁ…友情の証だ…いつも二人は一緒だ…」
《セラ…愛しいセラ…、心の底からセラを愛してる》
《心…私は貴方を……
直君…、心に対する想いを整理出来てなくて、ごめんなさい……》
私達は僅かな時間を穏やかに過ごした。

公園に着くと街灯の灯りが点いた。
「じゃー…ここで…」
私は立ち止まって心に言った。
「あぁ…」
「ありがとうね…、ネックレス…」
「あぁ…何か、かたちとして贈りたかったから…」
「うん…ありがとう……、じゃー行くね」
「あぁ」
セラは、俺に背中を向け歩きだした。
《セラ…お前の口から聞きたい…、セラ…お前は…》
「セラ!!」
俺はセラの名前を大きな声で呼んだ…。
セラは立ち止まった。
私は、振り向くことが出来なかった、私の目から涙が零れた。
「何?…」
セラは背中を向けたまま言った。
「セラ…、お前は…今、幸せか?…」
「……幸せよ……、幸せに決まってるじゃない……」
私は、上を向き公園の夜空を見て言った。
「……セラ……」
「じゃー……」
私は早歩きで公園から……心の元から離れた。
「おめでとう……」
俺は小さな声で呟いた。
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