君を愛した時間〜残した宝物
公園を出た私は、しゃがみこんだ。
「心…愛して……る……」
私は、心から貰ったネックレスを握りしめ泣いた。


――俺は、少しの間その場から動けずに居た。
ズボンのポケットに手を入れ、俺はネックレスをだした。
「セラ…俺達の、かたちだ…」
俺はセラと同じネックレスを首に掛けた。


――(ガチャッ)
「ただいま…」
私は靴を脱ぎ、階段を上がろうとした。
「セラ!?」
私は、おばちゃんの声を無視して階段を上がった。
「……」
「セラ?!直君来てるわよ!」
「えっ!?直君が…」
私は止まり、階段を下り玄関を見た。
玄関には、直君の靴が綺麗に揃って置かれていた。
「気付かなかった……ごめん…」
「セラ、あなた……」
「着替えてくる」
私は、逃げるように自分の部屋に入った。
《心…幸せじゃないよ……、私が選んだ道だけど……、幸せじゃない……苦しいよ……》


私は、涙を拭き何もなかったかの様に私は階段を下りた。
ドアの向うから、おじちゃんと直君の楽しそうな笑い声が聞えていた。
《……》
「はぁー…」
私は、ドアノブをゆっくりと回した。
(カチャッ…)
「いらっしゃい」
「おっ!帰ってきたな!」

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