君を愛した時間〜残した宝物
「…掃除したの…手が届く範囲だけど…」
直君は、コンビニの袋を畳に置いた。
「…ありがとう…綺麗だ…」
直君は、笑顔を見せてくれた。
「…直君」
「ん?」
「おじちゃん達に連絡したいんだけど、心配してると思うから…」
「連絡しておいた、俺と居るからって…」
直君は、ロウソクに火を点けた。
「そう…ありがとう…」
「あっ、もしかしたら電気点くかもしれないな」
そう言って、直君はキッチンの方に行った。
「……心…」


――俺は、おばさんから昨日の夜の事を聞き、嫌な胸騒ぎのまま家に帰った。
「…セラ…今、どこにいる…」
俺は、空き缶を片手で潰し壁に投げた。
(ピンポーン!)
《!!》
俺は、起き上がり玄関の扉を開けた。
「セラ!?」
(ガチャッ!!)
「……誠」
誠は、驚いた顔をして立っていた。
「…セラどこに居るんだろうなぁ…」
俺は、誠に話をした。
「あぁ…義足をしないで連れていったって言うから…」
「どこに、連れていかれたか、分からないのか?」
「あぁ…分からないって…直からも、連絡が無いって…」
「それじゃー、探し様がねぇーよな…」
「あぁ…はぁー…」
俺は、海に向かって煙を吐いた。
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