君を愛した時間〜残した宝物
「親方!」
親方は俺に気付き、ヘルメットを取り汗を拭きながら機械を止めた。
「悪いな!心!あっち頼む!」
「はい!」
俺はヘルメットを被り仕事を始めた。
工事の隣では車が走っていた、海の方からは花火の音が、コンビニの入り口には若い男達がたむろって居た。
汗が顎から滴り落ちてくる…俺は仕事に没頭した。
「ぉぃ!心!ぉぃ!」
機械の音に紛れて俺の名前を呼ぶ声に俺は振り向いた。
「心!休憩だ!」
親方はヘルメットを取って言った。
「はい、分かりました」
俺は機械を止めた、コンビニの前で酒に酔った男達を横目に俺は少し離れた所で休憩した。
「はぁー…」
現場のランプの点滅を見つめ俺は煙草に火を付け深く息を吸った。
「お疲れ!」
「お疲れさまです!」
「急にごめんな!ほらっ、ジュース」
「ありがとうございます、いただきます」
俺は親方から貰ったジュースを飲んだ、体の火照りが冷えたジュースで、火照りが消えていくのが分かった。
「心…」
「はい」

「この仕事を一本でヤル気ないのか?…」
「…すみません、まだ俺…」
「そうか、分かったお前がヤル気になったら言ってくれ!」
「はい…すみません、親方」
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