君を愛した時間〜残した宝物
「何も要らない…お前でいい…俺が欲しいのは、セラの心だ……ずっと一緒に居て欲しい…」
「心…」
心の首のネックレスが、オレンジ色に染まっていた。
「…ロウソク」
心は、私が持つロウソクを見ていた。
「あっ!…何本…」
「2…4本…」
「24本?24歳になったんだね!」
「あぁ、何だか恥ずかしいな」
心は首元を触りながら言った。
「24歳…私…初めて知った…心の年を…」
セラは、ケーキにロウソクを立てながら言った。
「言ってなかったけ?」
「うん…まだ私の知らない心が、あるんだなぁ…」
セラは、悲しげな顔をしていった。
「俺だって、セラと同じ…セラの年を聞いてない…」
心は、ロウソクを一本取っていった。
「…21だよ…」
「…誕生日は?…」
「…12月…」
「12月!?」
「…うん…12月で22歳…」
「何日だ?…」
「…16日…」
「12月…16日…同じ月なんだな…」
「うん……心、最後のロウソク立てて」
セラは、微笑んで言った。
「…一緒に最後のロウソクを立てよう」
心は、ロウソクを差し出して言った。
「うん…」
私は、心と一緒にロウソクを持ってケーキに付けた。
セラは俺を見つめた。
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