君を愛した時間〜残した宝物

私は、心を見送ることにした。
「…今日は、私が…心を見送るよ…」
「いいよ!俺がセラを見送る」
心は、私の腰に手を回した。
「ううん、今日は私が…」
「いいって!」
心は、優しく微笑んだ。
「駄目!…今日は、心の誕生日でしょう!…だから今日は、私が心を見送る…」
≪………≫
セラの、顔が一瞬険しく見えた。
「………」
「ほらっ!行って!」
私は、心の背中を押した。
「…セラ…」
心は、振り向き不安な顔をしていた。
「…行って!ちゃんと見送るから!…バイバイ!」
セラは、微笑んで手を振った。
俺は、変に考えすぎたのか、セラの笑顔を見た俺は、見送られる事に変な不安が消えてしまった。
「おやすみ…セラ」
「おやすみ!心!」
私は、心に今日一番の笑顔を見せた。
俺は、セラに背を向けて歩きだした…。


――≪…心…あなたが…心の姿が見えなくなるまで…私は、最高の笑顔で…心を見送る…ありがとう…心……≫


――俺は、もう一度振り返りセラに、両手で大きく手を振った。
「おやすみ!セラ!また明日な!」
遠くに居るセラは、笑顔だった。
「…うん!…おやすみ!…」

心の姿が歪み涙が落ちた。



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