君を愛した時間〜残した宝物
俺は、これで本当にいいのかと頭のどこかで思っていた。
この決断が正しいのかと……。



1月が終わろうとしていた。

「ねっ!ちょっと買いすぎじゃない?」
私は、両手一杯に紙袋を持っている心に言った。
「そうか?これでも、まだ買いたかったくらいだよ!」
心は柔らかな笑顔で言った。
「なんか…」
そう言ってセラはクスッと笑った。
「なんだよ?…」
「パパの顔だなぁーって思ったの」
「…まぁーな…」
心は恥ずかしそうに言った。
「………」
セラは、突然空を見上げ手を伸ばした。
「…どうした?」
「…海…」
「えっ?」
「海に行こう!」
セラはニッコリ笑っていった。



海に着くとセラは、砂浜に寝っ転がった。
「そんな所で寝てたら、お腹に悪いぞ!」
「…気持ちいい…」
そう言ってセラは、目を閉じた。
「………」
「…心も寝っ転がってみなよ」
そう言ってセラは、俺の手を掴んだ。
俺は、セラの横に寝っ転がりセラは俺の手を握り二人、冬の海で空を見上げた。
「目を閉じて…」
私は、心の横顔を見て言った。
心は、ゆっくりと目を閉じた。
「…愛してるよ…心…」
セラは、突然俺の耳元で言った。


< 276 / 356 >

この作品をシェア

pagetop