君を愛した時間〜残した宝物
気がつくと部屋の中は薄暗く、部屋の中は冷えきっていた……。
「………」
私は、ソファーに座りお腹に手をあてた。
「…ビックリしたでしょう…ごめんね…」




――「お疲れ様です!」
俺は、親方に頭を下げ現場を離れた。
(…ピッ!ピッ!)
歩きながら、俺は携帯電話のボタンを押し耳にあてた。
(プルッ…プルルルルッ!プルルルルッ!…)
電話の向こうで、呼び出し音が鳴っているが、電話には誰も出なかった。
≪………セラ≫
俺は携帯電話を握りしめ、走って家に向かった。



(ガチャッ!!)
「セラ!!」
玄関の扉を開けると、温かい光が点いていた。
俺は急いで靴を脱ごうとした時、奥の扉が開きお母さんが心配そうな顔で出てきた。
「心君!」
「…どうしたの?!」
「セラが居ないのよ!帰ってきたら部屋の中が真っ暗で…」
「セラ…」
≪……!!≫
(ガチャッ!!)
俺は家を出て病院に向かった。
≪セラ!!≫




――「良かったな!何でもなくて!」
「うん…ごめんね急に無理言っちゃって」
「平気だよ!でも松村先生が帰る前で良かったよ!」
「うん」
「安心したか?」
「うん…何もなくて良かった…」

< 279 / 356 >

この作品をシェア

pagetop