君を愛した時間〜残した宝物
「ビックリさせるな!俺は、てっきり具合が悪くなったと思ったぜ!」
誠は少し伸びた髪の毛を掻き分けながら言った。
「見なくていい夢みちまったよ…」
「こんな暑い所で寝るなよ!バカ!」
「誠が来るのが遅いから寝ちまったんだよ!」
俺は誠の肩を軽く叩いた
「しょうがないだろ!急に店長から電話で昼迄店出てくれって言われてよー」
「すげーじゃん!頼られてるな!」
俺は誠の胸を叩いた。
「ちげぇーよ!店長は朝からパチンコがしたいだけだよ!ったく!やんなるぜ!」
誠は缶のコーラを飲み干した。
「パチンコねぇ〜…ところで、お前ガソリンくせぇーな!」
「しょうがねぇーよ!仕事がスタンドだもんよ!」
「くせぇー!」
「くせぇー言うな!」
誠は頭にタオルを巻ながら言った。
「飯でも食いに行くか」
「おう!腹減ったよ!」
誠とは、同じ施設で育った仲間だ…始めは気が合わなく喧嘩をよくした。
誠と仲良くなったのは、俺達が中1の時、学校の先輩に呼び出され連れていかれる誠の後ろ姿が見えた。
俺はトイレで煙草を吸いながら見ていた。
誠は先輩に殴られた…が、殴られても誠は何度も立ち上がり殴られていた。
「馬鹿だな」
< 3 / 356 >

この作品をシェア

pagetop