君を愛した時間〜残した宝物
――あの日から、セラの体調は、急に変わった。
「セラ!?大丈夫か!?」
ベッドで眠るセラの息遣いが、激しかった。
「……う…ん……」
「やっぱり、病院に行こう!!」
俺は、セラを抱き抱えようとした。
≪!!≫
セラは、俺の服を掴んだ。
「…平…気…だから……薬飲んだ…し……」
「…セラ……分かった…」
俺は、セラの手を握りセラの額の汗を拭いた。
「…ありが…とう……」
セラは、微かに笑顔を見せた。
「傍に居るから…少し寝た方が、いい…」
「…セイラ……」
「大丈夫だ、今寝てるから…」
「…………」
セラは、俺の言葉を聞き目を閉じたまま、ゆっくりと頷いた。
「あぁ……分かった…じゃー……」
(ピッ…)
俺は、携帯電話のボタンを押しズボンにしまった。
「はぁー……」
俺は、壁に額を押しあてた。
〔明日、朝一に病院に来た方がいいな…〕
直は、そう言って電話を切った。
部屋に戻ると、セラの顔は苦しみから解放され、眠っていた。
「…………」
俺は、セラの胸に手をあてた。
「………はぁー………」