君を愛した時間〜残した宝物
――俺は仕事を終わらせ、コンビニに向った。
歩道を歩き先を見ると工事のランプが点灯していた。
「やってる…」
俺は缶ビールを飲み干した。
工事の音が心臓にまで響く…。
「親方!」
「おう!心!今帰りか?」
「はい、今日は人手が足りているんですね!」
「あぁー何とかな、あっ!姉ちゃんと会ったか?」
《姉ちゃん?》
「あの…姉ちゃんって?…」
親方は煙草を一服吸って答えた。
「この前ここで心が助けた姉ちゃんが居ただろう!?」
「あっ」
《セラ…》
「さっき姉ちゃんが来て、心は居るか?って」
「そうですか…」
「店に来なかったか?」
「いいえ、来てません」
「礼が言いたく来たんだとよ!男も連れてたな」
《男…》
「そうですか…」
「じゃー仕事に戻るから!お疲れ!」
「お疲れさまです…」
俺はコンビニで買ったビールを開け、飲みながら長い坂道を歩いた。
《セラ…男…彼氏か…》
「わざわざ、男連れて礼に来る事ないのに」
部屋に入り俺はコンビニの袋を投げ、疲れた体をベッドに倒した。
「ふぅー…気持ちわりぃー…」
俺は、そのまま眠った…。
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