君を愛した時間〜残した宝物
私は、椅子から立ち上がった。

「…今日は、突然の夕食会に来てくれて、どうもありがとう…皆と食事をしたくて、突然……」

「…セラ?」

心は、私の手を握った。



セラの頬には、涙が流れた。

「…あっ…ごめんなさい、私…」

心は、私を抱きしめ頭を撫でた。

「…嬉しいんです!セラは、今日こうして皆が集まってくれた事を…そうだよな?セラ」

「…はい…」

「…あぁー!腹ペコ!では、おばさんの、ご馳走いただきます!」

直は、笑顔で料理を食べ始めた。



この日、皆は笑顔でテーブルを囲み、大切な時間を共にした。



食事を終え、心と直と松村先生は、お酒を飲んでいた。

「何か、おつまみでも出そうか?」

「ううん、平気だよ」

心は、優しい笑顔で言った。

「セラも、ここに座れば」


直は、少し酔ったのか椅子を引いた。

「じゃー、お邪魔しよう」


セラは、俺の隣に座った。


「…なんだよ、俺の隣に座ってくれても、いいだろ」


「ばーか、セラは俺の嫁さんなんだよ」

俺とセラは、目を合わせ笑った。

直は少し、いじけながら溜め息だした。

「…そうだよな…」



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