君を愛した時間〜残した宝物
俺は、そう言って煙草を窓の外に投げた。
その時、誠は両膝をつき赤く染まった唾を出し、呟いた。
「…終わりか?…」
誠は下から上を見上げ先輩達に言った、誠は大声を出しながら先輩に向って行った、3対1…。
「気にいった」
俺は少し微笑みながら2階の窓から飛び降りた。
誠の喧嘩に加わり、結果俺達が勝った。
「プッ!」
俺と誠は、先輩に唾を吐き、その場を去った。
俺達は、ボロボロの体で学校の屋上に辿り着いた。
二人で大の字になり空を見上げた。
空には綿飴みたいな雲が静かに凪がれていた。
「ありがとな…」
そう言って、誠は右手を出した。
俺は左手を誠の手に触れた。
それからは、誠とは無二の親友となった。

俺達は、海の家に向って歩きだした…。
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