君を愛した時間〜残した宝物
辛い思い〜同じ気持ち
店を出ると雲行きが怪しかった。
「雨降りそうだなぁ…」
私は、少しの間迷っていた。
「お店で食べようかな……いいや!行こう!」
私は、お弁当を持って防波堤に向った。

――俺は防波堤に着くと、もう一段上に上がり防波堤に寝転んだ、下を見ると親子連れが網を持って蟹や魚を捕っていた。
「…」
俺は父親の顔も分からない、母親の顔も霧が、かかった様にハッキリと分からない、家族連れを見ると俺は嫉んでしまう…。
(シュボッ)
煙草に火を付け深い溜め息をついた。

――「おじさん、こんにちは!」
私は防波堤で釣りに来て居た近所の、おじさんに声をかけた。
「よっ!休憩か?」
「うん、魚釣れた?」
私は、 バケツを覗いた。
「釣れてないね」
「ダメだ、何にも釣れない」
おじさんは、釣り竿を上下に動かしながら、言った。
「頑張って!」
私は、おじさんの肩を叩き言った。
「セラ!雨雲が来ているから早く戻るんだぞ!」
「はーい!分かった!」
私は、防波堤の先に向って歩いた。
《雨雲ねぇ…まだ余裕だよ》
私は、空を見上げながら思っていた。
「よいしょっと!」
防波堤の先に着き私は靴を左足だけ脱いで海に付けた。

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