先生って言う名前の人

旅館についてご飯食べて、温泉に入った。


お湯が熱かったからあんまり長く入っていられなかったけど気持ち良かった。

先生も気持ち良かったって。


部屋に戻ったら先生の髪の毛がまだ慣れてたから、ドライヤーで乾かしてあげた。


自分でやるって言われるかなと思ったけど、
先生は静かに座っててくれた。


髪の毛がふわふわで可愛かった。
ずっと触ってたかった。


浴衣を着てる先生の背中はいつもより大きく見えた。



ドライヤーが終わったら、今日絶対しようと思ってた耳かきをかばんから出して、
お風呂から上がってくると敷かれていた布団の上に正座して先生を呼んだ。


「次こっち来て!」

「、、なに?」

「耳掃除。はやく!」

「いいよ恥ずかしい」

「なんで?いいからはやく」


あたしは先生の腕を引っ張って、膝の上に寝かせた。


「お客さん、お耳の中きれいですね」

「毎日自分でしてますから」


他愛のない話が楽しかった。


上から見る先生の横顔はとっても綺麗で、ずっと見てたかった。


このままあたしの膝の上で、眠っちゃえばいいのに。


、、、帰りたくないな。


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