先生って言う名前の人
先生はいつも決まった時間に帰っていく。
今日もいつもの時間にかばんを持って立った。
おばあちゃんは先生を見送って玄関のドアを閉めてすぐ、いつかみたいにまたあたしに聞いて来た。
「華ちゃん、先生追いかけなくていいの?」
誕生日なんだからわがままのひとつくらい聞いてもらったら?と
おばあちゃんは小悪魔みたいな顔で笑ってあたしをつついた。
「、、行ってもいい?」
「いいよ、行っておいで」
おばあちゃんはそう言うと、支度を手伝ってくれた。
17歳なんだからもっと遊ばないと、
そう言ってあたしの背中をポンと叩いて玄関まで見送ってくれた。
「先生のところ以外は行っちゃだめよ。危ないから」
「うん、ありがとう。
おやすみなさい、だいすきだよおばあちゃん」
あたしは精一杯おばあちゃんに感謝を伝えて、先生の家に向かって走った。