先生って言う名前の人

先生はいつも決まった時間に帰っていく。

今日もいつもの時間にかばんを持って立った。


おばあちゃんは先生を見送って玄関のドアを閉めてすぐ、いつかみたいにまたあたしに聞いて来た。


「華ちゃん、先生追いかけなくていいの?」

誕生日なんだからわがままのひとつくらい聞いてもらったら?と

おばあちゃんは小悪魔みたいな顔で笑ってあたしをつついた。


「、、行ってもいい?」


「いいよ、行っておいで」


おばあちゃんはそう言うと、支度を手伝ってくれた。

17歳なんだからもっと遊ばないと、


そう言ってあたしの背中をポンと叩いて玄関まで見送ってくれた。


「先生のところ以外は行っちゃだめよ。危ないから」


「うん、ありがとう。
おやすみなさい、だいすきだよおばあちゃん」


あたしは精一杯おばあちゃんに感謝を伝えて、先生の家に向かって走った。

< 120 / 199 >

この作品をシェア

pagetop