先生って言う名前の人
「おばあちゃんおやすみ」
「おやすみ。愛してるよ」
いつもの夜の挨拶をして、2階に上がった。
自室のベッドで寝転びながら今日の先生のことを考えた。
今日の先生はなんだか変だった。
あたし何かしたかな?
今日はひとみと梨花と一緒に帰ってないし、
なにも情報がなくてただ考えるしか出来ない。
ぶつかったあとの先生の顔が頭から離れなくて、すごく胸が痛かった。
ベッドで寝転んで天井を見ていると、携帯が鳴った。
ーーーー先生だ。
あたしは飛び起きて電話に出た。
「もしもし?先生?」
「、、華?起きてた?」
「うん。どうしたの、今日元気なかった」
「いまから出て来れない?」
「え?」
「来ちゃった。家の前」
うそでしょ、と思って階段を走って降りて玄関のドアを開けると、
少し離れたところに本当に先生が立っていた。
あたしは電話越しにちょっと待ってて、と言って電話を切って、
すぐに着替えて家を出た。
「ごめん、寝るとこだった?」
「ううん。どうしたの」
「、、ちょっと歩こ。」
先生はどこか切ない顔でそう言って、
あたしの手をとって歩き出した。
先生の様子がおかしいのは心配だったけど、
初めて先生から手を繋いでくれたことが嬉しくて、
あたしは少しどきどきしながら先生の手をきゅっと握って歩いた。