先生って言う名前の人
「あっそ」
先生はあたしが福野先生の話をすると、いつも少しそっけない返事をしてくる。
「見た目だけだよ、でも福野先生何かと触ってくるからちょっとやだ」
「なんだよそれ」
「髪の毛触って来たり頭撫でて来たりする」
「触らせるからだろ。
華が無防備なのがいけない」
先生は少し怒ったような声でそう言った。
あたしはいつも普通にしてるし、
どっちかって言ったら避けてるのに。
先生のクラスじゃなくなってからは、学校のどこに居ても先生のことを目で探した。
3年生になってからは先生の隣にいつも島田先生がいるのがあたしは少し嫌だったけど、
めんどくさい自分が嫌で見ないふりをしてた。
「先生だって梨花にキスされるし島田先生と最近ずっと一緒に居るじゃん」
先生が福野先生のことで怒るから、つい言ってしまった。
「佐藤のことはもういい加減忘れて。
島田は副担だから一緒に居なきゃいけないことが多いの」
もっと怒られるかと思ったのに、先生は笑いながらあたしのほっぺたを両手でつまんで来た。
あたしは痛いよ、と言ってさっきのことは忘れようと思った。
先生が笑ったら、あたしもつられて笑っちゃうよ。